38(t)戦車 C型
Pz.Kpfw.38(t) Ausf.C

 製作  Model making 
■使用キット kit
 トライスター(現ホビーボス)のB型キットをC型に改造しました。
 (2020年10月完成。以下、キットの表記はこのキットを示します。)
▼Pz.kpfw.38(t) Ausf.B(Tristar/Hobby Boss)


■実車解説と模型設定

 戦訓により前面装甲の増強が望まれたことから、第3生産シリーズのC型では生産途中から車台前面装甲板が強化され、1940年5月から8月までに110両が生産されています。
 製作する車両は、38(t)戦車が配備されている主な装甲師団(7,8,12,19,20,22)の中から第8装甲師団(第10戦車連隊)を選択しました。この師団はポーランド戦で唯一38(t)戦車A型を装備して活躍した第3軽師団(第67戦車大隊)が元になっており、フランス戦やバルカン戦、東部戦線で活躍しています。しかし、他の師団と比較して資料が極端に少なく、撮影されている車両もA型が多く、マーキングなども地味で、時代設定に迷いましたが、一応1941年の東部戦線時としました。

■本来のB型への修正
 キット自体は出来がよいのですが、本来のB型にするには修正が必要です。
 B型への修正記事はこちらを参照

■B型とC型の相違点
 C型の生産当初は外観上まったくB型と同じですが、生産中から次のとおり変更されたので、改造しました。
●前面装甲板
 車台(シャーシ)の前面装甲板が生産途中から25mm厚から40mm厚に強化されています。
 35分の1スケールでは約0.43mm増にすればよいのですが、キットのパーツはアナログのノギスで計ると約0.9mm厚と本来の厚みより約0.2mm厚いので、作例ではエバーグリーンの0.25mm厚のプラ板を足してツジツマを合わせることにしました。

 また、装甲板上縁は当初丸く削られていましたが、生産の向上を図るため、その処理も除々にされなくなりました。
●アングル板
 前面装甲板と側面装甲板を接合するアングル板とボルト等がB型とは異なり、B型とC型の識別点となっているので、写真を参考にして再現しました。

●バンブ・ストップ
 生産途中?から走行中の振動や車体底面と地面との接触を避けるため、バンブ・ストップ(衝撃止めの当てゴム)が追加されているので、パネルラインの修正に合わせて取り付けました。


■第8装甲師団の車外装備品
 前述のとおり第8装甲師団の写真資料は少なく、他の師団に見られるような師団独自の雑具箱の装備も確認できなかったので、車外装備品の取付位置は軍から部隊へ配備された標準的な仕様のままを再現することにしました。

■車外装備品
●各社パーツ比較
 車載工具は基本的にキットのパーツを使用していますが、各社のパーツ比較はグリレH型で紹介しているので、気になる人は見て下さい。
 ・斧、ハンマー、ジャッキ台のパーツ比較はこちら
 ・ワイヤーカッター、ショベル、バール、ツルハシのパーツ比較はこちら 
●エッチングパーツ
 キットには革ベルトなどを表現するエッチングパーツが付属していますが、作例ではABERのパーツを中心に各社のエッチングパーツを比較しながら使用しました。
▼ABER(35200)汎用

▼VOYAGER MODEL(PE35143)ドラゴンG型用

▼GRIFFON MODEL(L35009)ドラゴンG型用


■車外装備品の装着状況(車体左側)

※各パーツは撮影用に仮留めしているだけなので、実際のものとは異なります。
●バールとハンマー
 バール(長さ70cm)とハンマー(5kg)はチェコ製で革ベルトを利用してフェンダー上に装着しており、牽引ケーブルも合わせて取り付けている例が確認できます。

●ショベルとツルハシ
 ショベルとツルハシもチェコ製で1本の革ベルトで取り付けられ、ツルハシは車体手すりの金具に保持され、牽引ケーブルの装着により外れにくくなっています。

●牽引ケーブル
 牽引ケーブルは先端の環状(アイ)部分を含めてキットでは省略されているので、EUREKA XXLの「HETZER & Marder Ⅲ」(ER-3535)を使用しました。

 ドラゴンの38(t)戦車のキットにはアイ部分のパーツが付属していますが、この形状はドイツ軍車輌用のものなので、チェコのアイ部分をうまく再現しているEUREKA XXLのレジンパーツを使用しました。(4個付属しているので、2台分使えます)

 また、EUREKA XXLの牽引ケーブルパーツは細い銅線をネジって約0.6mmの太さにしたもので、12cmの長さのものが4本付属しています。
 これを実車写真を参考に模型に仮止めしたところ短く感じたので調べてみることにしました。
▼実車写真(D型)

▼実車写真(F型)

▼実車写真(G型)

 アイ部分を含めると長さは約14.5cmで、これを35倍すると約5メートルになり、この長さを想定して製品化しているようです。PANZER TRACTSなど資料では38(t)戦車の牽引ケーブルの長さは明記されていませんが、同じチェコ製の35(t)戦車の資料(Motor buchの「Der Panzerkampwagen 35(t)」)で確認したところ、長さ6メートル・耐荷重10トンとの記述が見つかりました。
 そこで、35分の1スケールでアイ部分を含めて長さ約17cmにして車体に仮留めしたところピッタリだったので、そのまま使用することにしました。

 付属する銅線は短くて使用できないので、別売の銅線を使用しました。なお、以前はKARAYAからも発売されていましたが、現在は入手困難です。

 また、牽引ケーブルの車体側面への取付金具は現存するものがほとんどなく、ロシアのクビンカからパトリオットパークに移動した車両に一部残っているだけです。

 そのため、VOYAGERではパーツが省略され、ABERのパーツには違和感があるので、GRIFFONのパーツを使用しました。

■車外装備品の装着状況(車体右側)

●斧とワイヤーカッター
 斧とワイヤーカッターはドイツ軍の追加装備のようで、車体への取り付けは革ベルトではなく、金属製のクランプが使用されています。クランブは当時のドイツ軍のものとは異なるようなので、チェコ製のものかもしれません。

 VOYAGERとGRIFFONのクランプはドイツ軍初期のものなので、ABERのエッチングパーツを使用し、斧のクランプの位置は写真のとおり修正しました。
 なお、作例とは違い、ワイヤーカッターと斧を前後逆に装着している例(S型)も確認できます。


●ジャッキ台
 実物はオーク材の複数の板を3枚の金属製ベルトで束ねて補強したもので、チェコ製です。

 38(t)戦車系列ではフェンダーに蝶ネジにより固定されているので、蝶ネジはエッチングパーツでもよいですが、作例ではドラゴンの38(t)戦車系列のBランナーにあるB69を取り付けました。
●ジャッキと履帯防滑具収納箱
 ジャッキは基本的にキットのものを使用し、収納箱は薄さが表現できるので、エッチングパーツに換えました。

 なお、エッチングパーツは組み立てると内部が塗装できず、後から光って見えるので、先に内部を黒く塗装しています。
●予備履帯
 履帯はマスタークラブの履帯を使用し、固定する板はエッチングパーツ、取付ボルトはアドラーズネストの「六角ボルトヘッドSS」(ANE-0011)を用いました。
 

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