38(t)戦車 D型
第12装甲師団 第29戦車連隊 所属車
Pz.Kpfw.38(t) Ausf.D
Pz.Rgt.29 of the 12.Pz.Div.

 完成  Finish of paint 
 D型の作品では1941年6月のバルバロッサ作戦時における第12装甲師団の第29戦車連隊所属車両を再現してみました。
▼塗装設定はドゥンケルグラウ単色で、塗料はクレオスのジャーマングレー"ドゥンケルグラウ"3色(513,514,515)を吹き付けました。

▼D型の特徴としてドイツ仕様のアンテナ基部とターレットリングガードがあげられます。

 ▼第12装甲師団の38(t)戦車は三連装の発煙弾発射機の装備がメインで、雑具箱などの装備品の配置は発射機からの影響を考慮して前方に寄っているように思えます。
 なお、行軍時は発煙弾発射機には防水・防塵用カバーが被せられました。

▼全ての38(t)戦車の左側車体と砲塔には手すりがボルト留めされており、車長は乗車時にこれらを利用したようです。
第12装甲師団では、さらに第3転輪に足掛けと考えられるリングが取り付けられました。

 ▼所属を示す3桁の車両番号は車体側面は雑具箱に小さく、砲塔後部には大きく黄色で描かれています。砲塔側面に描かなかったのは敵から目立たなくするためだと考えられます。
 STAR DECALSの「Pz.Kpfw.38(t) Op.Barbarossa and Early war years」(35-C-1249)には第12装甲師団のマーキングが収録されていますが、車両番号は「A92」です。

 これは同師団の第2偵察大隊(Aufklärungs-Abteilung 2)第9小隊2号車(同じ部隊の車両番号「A96」のⅡ号戦車b型の写真は「Panzer Colors Ⅱ」などに収録されて有名)であり、戦車連隊所属車ではないので、そのまま番号は使えません。

 第29戦車連隊所属車を再現するにあたり、ありえない番号にはしたくなかったので、部隊編成を調べてみました。
第3、第6、第9中隊は38(t)戦車の配備はなく、第7中隊の38(t)戦車は手持ち資料では発煙弾発射機が未装備なので対象外とし、手持ちのデカールの中から「132」号車としました。※部隊編成については記事の最後に記載
▼車体後部は中央の牽引フックをピントルに変更し、マフラー中央上部にピントル用ケーブルのガイドパイプを自作して取り付けました。

 なお、後部反射板(リフレクタ)はこの連隊では発煙弾発射機の装備によりフェンダー後端に取り付けられていたので再現しました。
▼バルケンクロイツ(国籍マーク)はこの師団では白フチのみのものが多く、中心に黒の中帯が入った車両は第4中隊で確認できました。
 描かれている位置は左右雑具箱と車体後部マフラー下に確認でき、細かく見るとその大きさや雑具箱に描かれた車両番号との位置関係も部隊で異なります。

  作例では記録写真の「131」号車を参考にしてSATR DECALSのデカールを貼りました。
▼ジャッキが単独でフェンダーに装着されているとドイツ製戦車に見えてしまうのは私だけでしょうか。

▼師団マークは、車体前部では他の師団と同様に無線手用クラッペの上部に、左側は履帯防滑具箱に、後部は砲塔後部に、右側は操縦手用クラッペ前の4箇所に描かれているので、STAR DECALSのものを貼りました。

▼牽引ケーブルは前又は後ろの牽引フックに取り付けていることが確認でき、車体後部は牽引ピントルをしっかり見せたかったので、作例では前のフックに巻き付けました。

  発煙弾発射機を装備したことで、38(t)戦車の印象が大きく変わってしまいました。(2020年10月完成)

■第29戦車連隊について

 師団の主軸となる第29戦車連隊は1941年1月に第Ⅰ大隊から第Ⅲ大隊までの3個大隊で編成されました。

■戦 歴
 1941年6月のバルバロッサ作戦(ロシア侵攻)においては中央軍集団第3装甲集団第57装甲軍団に所属して第19装甲師団と共に、ミンスク(ベラルーシの首都)、スモレンスクに進み、9月には北方軍集団へ転出してレニングラード包囲戦にて戦い、10月からは鉄道の拠点であるチフヴィンの戦いに第8装甲師団と共に参加しました。
 これらの戦いにより38(t)戦車は当初109両配備されていましたが、5両補充されたものの、同年11月時点では稼働車体が34両まで落ち込みました。
 そのため、翌1942年1月に故障・破損車両33両が修理・部品取りのためにチェコのBMM社工場に送られ、残りの稼働車両10両が第8装甲師団第10戦車連隊に引き渡され、第12装甲師団における38(t)戦車の配備は無くなりました。

■当初配備数(1941年6月バルバロッサ作戦時)
 Ⅰ号戦車40両、Ⅱ号戦車33両、38(t)戦車109両、
 Ⅳ号戦車30両、38(t)戦車指揮戦車8両

■部隊編成(1941年6月バルバロッサ作戦時)
 各配備数は定数であり、本来はⅢ号戦車の配備の予定でしたが、戦車不足のために38(t)戦車やⅠ号戦車が充てられました。
 そのため、実際の配備数とは異なり、下記編成の中で38(t)戦車と書いていますが、Ⅰ号戦車やⅡ号戦車が含まれている部隊があります。※この編成表は調査途中で完全ではないので、誤りがありましたらご教示ください。
 なお、カッコ内の番号は手持ち資料で確認できた38(t)戦車の車両番号です。
●連隊本部
 ・本部通信小隊 38(t)戦車指揮戦車
 ・軽戦車小隊 Ⅰ号戦車、Ⅱ号戦車 
●第Ⅰ大隊
○本部中隊
 ・通信小隊   38(t)戦車指揮戦車
 ・軽戦車小隊 Ⅰ号戦車、Ⅱ号戦車
○第1中隊
 ・本部
 ・第1小隊  38(t)戦車×5 (113)
 ・第2小隊  38(t)戦車×5 (124)  
 ・第3小隊  38(t)戦車×5 (131)
○第2中隊
 ・本部  
 ・第1小隊  38(t)戦車×5  
 ・第2小隊  38(t)戦車×5 (221,224)  
 ・第3小隊  38(t)戦車×5
○第3中隊
 ・本部  
 ・第1小隊  Ⅳ号戦車×4
 ・第2小隊  Ⅳ号戦車×4
○大隊予備戦車
●第Ⅱ大隊
○本部中隊
 ・通信小隊   38(t)戦車指揮戦車
 ・軽戦車小隊 Ⅰ号戦車、Ⅱ号戦車
○第4中隊
 ・本部
 ・第1小隊  38(t)戦車×5
 ・第2小隊  38(t)戦車×5 (422,423)
 ・第3小隊  38(t)戦車×5 (433,435)
○第5中隊
 ・本部  
 ・第1小隊  38(t)戦車×5
 ・第2小隊  38(t)戦車×5
 ・第3小隊  38(t)戦車×5 (534)
○第6中隊
 ・本部  
 ・第1小隊  Ⅳ号戦車×4
 ・第2小隊  Ⅳ号戦車×4
○大隊予備戦車
●第Ⅲ大隊
○本部中隊
 ・通信小隊   38(t)戦車指揮戦車
 ・軽戦車小隊 Ⅰ号戦車、Ⅱ号戦車
○第7中隊
 ・本部  
 ・第1小隊  38(t)戦車×5 (712)
 ・第2小隊  38(t)戦車×5 (721,723,724)
 ・第3小隊  38(t)戦車×5 (733)
○第8中隊
 ・本部 38(t)戦車
 ・第1小隊  38(t)戦車×5
 ・第2小隊  38(t)戦車×5
 ・第3小隊  38(t)戦車×5
○第9中隊
 ・本部    
 ・第1小隊  Ⅳ号戦車×4  
 ・第2小隊  Ⅳ号戦車×4
○大隊予備戦車 38(t)戦車(891) 

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