38(t)戦車E型 
Pz.Kpfw. 38(t) Ausf.E

製作(1)  Model making(1)
■使用キット
  E/F型のキットは複数のメーカーから発売されていますが、トライスター(現ホビーボス)のE/F型キットをE型として製作しました。(2021年2月完成。以下、キットの表記はこのキットを示します。)
▼Pz.kpfw.38(t) Ausf.E/F(Tristar/Hobby Boss)


■実車解説
 第5生産シリーズのE型は防御力の向上を図ったもので、戦闘室前部形状は段差があったものから生産性がよい直線になり、装甲板の厚さは次のとおり増強され、それに伴う改修が行われました。
D型 E/F型
車台前面 40mm 25mm+25mm
戦闘室前面 25mm 25mm+25mm
戦闘室側面 15mm 15mm+15mm
砲塔前面 25mm 25mm+25mm
砲塔側面 15mm 30mm
砲塔後面 15mm 25mm
砲塔上面 8mm 12mm
転 輪 6mm 8mm
 1940年11月から1941年5月までに275両が製造されています。

■模型設定
 製作する車両は、38(t)戦車が配備されている主な装甲師団(7,8,12,19,20,22)の中から第20装甲師団(第21戦車連隊)を選択し、1941年6月のバルバロッサ作戦時としました。
 キットのままでも良いのですが、気になった箇所の工作を今回と次回の2回に分けて紹介し、その後に第20装甲師団のバルバロッサ作戦時仕様の工作をお伝えしたいと思います。
 なお、B型等の製作記事と内容が一部重複していることを予めお断りします。

■足まわり
●履 帯
 実車ではD型の生産途中より採用された標準型(軽量型)履帯をE型では当初より履いています。
 キットのパーツでもよいですが、作例ではモデルカステンの連結式可動履帯(SK-30)を用い、キット組立説明書や実車のカタログデータと同じ片側93枚を使用しました。

●起動輪
 キットのパーツは薄く成形されているので、モデルカステンの履帯が使用できます。

  作例では以前購入していたモデルカステンのパーツを車軸を含めて試用してみました。
▼モデルカステン(A-9)

▼起動輪の比較

▲履帯と噛み合う歯の形状の違いに注目
 モデルカステンのような可動式連結履帯を用いる場合、起動輪がうまく回転させる必要があるので、車軸に接着剤が付かないように取り付けには注意を要しました。
●誘導輪
 実車ではE型から軽め穴の形状がタマゴ形から生産性がよいダルマ形に変更されています。
 キットのパーツのままでもよいですが、起動輪に合わせてモデルカステンのパーツを車軸を含めて試用してみました。塗装すれば誰も交換したことを気が付かないレベルです。
▼誘導輪の比較

●転 輪
 実車では転輪の厚みが6mmから8mmに増加していますが、大きな形状変更が確認できなかったので、作例ではキットのパーツをそのまま使用しました。
●懸架装置
 実車ではリーフスプリング(板バネ)を中央で束ねる保持具にスリットが設けられています。泥や雪がスリットに詰まりやすいことから、前戦において塞がれたり、後に生産されたスリット無しのものに交換したようですが、作例ではD型までの作例と同じく、ドラゴンのパーツ(A23)とニコイチにしました。

 また、実車では板バネの数が重量の増加に伴い、1枚増えていますが、完成後はほとんど見えなし、誰も数えない(笑)のでキットのままとしました。
●バンブストップ
 実車ではC型から採用された第1転輪用のバンブストップ(ゴムダンパー)が車体側面のパネルラインの変更に伴い、少し後方に移動しています。

 キットの取付位置に問題がないので、そのまま取り付けました。


■車台前部
●車台前面装甲板
 キットのパーツ(C-6)には補助装甲を兼ねた予備履帯ラックのモールドが再現されています。実車での予備履帯ラックの採用はG型の1941年11月生産分(車台番号1220)からであり、その予備履帯ラックの部品を各部隊へ配付する許可が出たのが1942年1月、部隊配備されてたA~F型に装着されるようになったのは、それ以降になります。
 つまり、1942年1月以降のE/F型に予備履帯ラックがあっても誤りではないのですが、作例の設定である1941年6月のバルバロッサ作戦時となると考証的に問題があります。

 作例では、ボルトをていねいに切り取り、ラックのモールドを削り取って平らに成形した後に切り取ったボルトを元の位置に接着しました。(写真で色違いのボルトは紛失したため、ドラゴンのパーツを移植したものです。)

■戦闘室前部
●操縦手・無線手用クラッペ
 実車では前面装甲板の強化に伴い、前方視察用バイザー(クラッペ)の装甲が強化されました。
 作例ではキットのパーツを使用していますが、クラッペを上方に上げるスプリングが上からよく見えるので、少し手を加えることにしました。
▼スプリングはキットの前面装甲板パーツ(C-25)に抜きの関係から断面がカマボコ状にモールドされているため、正面から見ると問題ないですが、上から見ると実感が出ません。

 そこで、スプリングのモールドを装甲板パーツから注意深く切り取ります。
▼切り取ったスプリングパーツを上からスプリングに見えるようにクラッペのパーツ(C-17,C-18)に接着しました。

 スプリングを金属線に換えた方が実感が増しますが、こちらの方が簡単です。また、クラッペ両側面に回転軸が省略されているので、プラ棒で再現しましたが、この回転軸はクラッペパーツに孔を開け、プラ棒を差し込んで接着してから突出した棒を切り取った方がきれいに仕上がります。
●警 笛
 A~D型の作例と同じく、警笛のパーツが実感に乏しいので、ドラゴンのグリレ製作時に余っていたパーツ(K-17)を流用してラッパ部分のフチを薄く削り、アベールのエッチングパーツを加え、銅線で電気コードを再現しました。



●アンテナ基部
 実車ではE型当初からドイツ仕様のアンテナ基部が取り付けられています。

 作例では成形のために省略されているボルトなどを取り付けてディテールアップしました。(続く)

 
 ご意見、感想などがありましたら掲示板「38(t)戦車E型」にコメントをお願いします。
 コメントが面倒だという方は、今後の励みになりますので下の「拍手」のボタンを押していただければ幸いです。

web拍手 by FC2
inserted by FC2 system