38(t)戦車E型 
Pz.Kpfw. 38(t) Ausf.E
Pz.Rgt.21 of the 20.Pz.Div.(Russia 1941)

製作(3)  Model making(3)

 今回は、1941年6月のバルバロッサ作戦(ロシア侵攻)時における第20装甲師団第21戦車連隊所属車両を再現するための装備品と車体への装着状況についてご紹介します。

■車体前部
●予備履帯
 変速機及び操向装置点検ハッチ両側に増加装甲を兼ねた予備履帯(5枚)がそれぞれ専用ラックにより装着されています。これはG型から正式採用されたラックとは異なるものです。

 作例ではモデルカステンの履帯を用い、ラックは真鍮帯板(0.2mm厚、幅1.0mm)で自作しました。

■車体左側
●左フェンダー
 雑具箱などの装備品を取り付けるには支障があるため、フェンダー上のモールドを削り取りました。

●雑具箱
 同師団独自の雑具箱が左右フェンダー上に取り付けられています。この雑具箱は中で仕切って2つの収納スペースを設け、それぞれ上部にフタが設けられています。
 多数の穴が開いた収納スペースは防滑具(グローサ)収納用で、穴は通気性を持たせるためのものです。この雑具箱の採用で、標準装備であった防滑具収納箱は取り外されています。ちなみに不要になった防滑具収納箱を改造してジェリカンラックとして再利用している車両(S型)が確認できます。
 もう片方の収納スペースは変形しないように補強用リブ(ビート)がプレスされています。
 この雑具箱は師団の整備中隊が応急的に作ったレベルを超えているので、師団がどこかの業者に特注したものと考えられます。

 作例ではトライスターのG型キット(35022)に、この雑具箱パーツ(F-3~F15)が付属しているので利用し、フタの留め具は適当なエッチングパーツに置き換えました。また、穴が開いた部分は内側を薄く削った後、内側をフラットブラックで塗装してから組み立てています。
●スコップ・ツルハシ
 前部にスコップとツルハシがベルト留めされているので、キットのパーツを利用し、ベルトはアベールのエッチングパーツで再現しました。

●斧・ハンマー
 後部機関室横に斧とハンマーがベルト留めされているので、キットのパーツを利用し、ベルトはアベールのエッチングパーツを用いました。


■車体右側
●ジャッキ台
 パーツ側面に0.25mm厚のプラ板を貼って2枚の板を表現し、フェンダーに取り付けるための蝶ネジは立体感に乏しいので、ドラゴンのS型キット(6435)の蝶ネジパーツ(B69)を流用して接着しました。

●ワイヤーカッター
 キットのパーツのクランプ部分を削ってアベールのエッチングパーツに置き換えました。

●ジャッキ
 単独でフェンダーにベルト留めされているので、ラックはトライスターのB型キット(935026)に付属するラックパーツ(F-12)を流用し、取付ベルトはアベールのエッチングパーツを用いました。

●バール
 バールは金属線をフェンダーに溶接留めして前部の二俣部分にくわえさせ、後部はベルト留めすることでフェンダーに装着しているようなので、真鍮線(赤矢印)とアベールのエッチングパーツで再現しました。


■車体後部
●粗朶束
 第20装甲師団の装備のうち、雑具箱に次ぐ特徴的なものに粗朶束(そだたば)があります。これは細い木の枝を束状にしたもので、イギリスのチャーチル戦車への装備が有名で、戦車の進入を阻止するために設けられた対戦車壕にこれを投げ入れて進路を確保するのが目的です。
 しかし、この師団の38(t)戦車に積載されている粗朶束はチャーチル戦車と比較して小さいことから、雨で泥濘化(ぬかるみか)したロシアの道路にこれを敷き詰めて突破しようとする目的だと推察できます。(ちなみに第7装甲師団では同じ目的で小さな粗朶束と太い角材を積載していました。)
 粗朶束を載せるラックは専用のものが師団から発注されたようで、作例では記録写真を参考にしてプラ板を加工して作りました。

 ラックをフェンダー後部に取り付けたことにより、E型から採用となった車間表示灯と尾灯の新しい支持架は付けられなくなったので、D型以前の支持架により機関室後部上面にボルト留めされ、後部反射板は廃止されました。

 排気管から排出される炎や熱いガスが粗朶束に引火しないように、排気管のそばには鉄板が溶接留めされていることが確認できるので、プラ板を取り付けて再現しました。

 粗朶は様々な太さのまっすぐな木の枝が使用され、ワイヤーで連結しているようです。
 作例では太さ1.0mm、1.2mm、1.6mmのエバーグリーンのプラ棒を用い、太さ0.14mmのフラッグシップの銅線でつなぎました。

 粗朶の長さは現場合わせでプラ棒の数を調整して決め、取付用革ベルトはパッションモデルのエッチングパーツを用いました。


■機関室上面
●ジェリカンラック
 他の師団同様に長距離行軍に備えて機関室上部に20リットル入り携行燃料缶(ジェリカン)が4個装備されました。

 ジェリカンはキットに付属していないので、タミヤの「ドイツ初期型ジェリカンセット」(35315)を利用し、この師団の独自形状の受け皿は0.5ミリ厚のプラ板で、革ベルトはパッションモデルの「38(t)E/F型用エッチングセット」(P35-152)のパーツを利用しました。


 ■装備品の装着状況
 これまで紹介してきました装備品を車体に取り付けて様子を見ました。
 なお、各装備品は撮影用に仮留めしているので、完成品とは多少違います。

 スコップなどの工具類は実車では革ベルトで留められているため、取付向きなどが車両によって異なります。

 200リットル入りドラム缶搭載のトレーラーを車内から切り離すためのワイヤーのガイドパイプがマフラー中央上部に溶接留めされているので、プラ棒とプラ板で自作して取り付けました。

 バールは長いため、不整地脱出用ラダーのラックの下まで延ばして装着していることが記録写真で確認できたので、そのように取り付けました。

 この師団独自形状の雑具箱が車体にうまくフィットするように設計されていることがわかります。

 これで工作終了です。次回は塗装とマーキングについてご紹介します。
 
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