38(t)戦車G型 
Pz.Kpfw. 38(t) Ausf.G
第22装甲師団 第204戦車連隊 1942年 クリミア戦
Pz.Rgt.204 of the 22.Pz.Div. Crimea 1942

■製 作  Model making 

■実車解説
 第7生産シリーズのG型では前面装甲板が50mm厚1枚となり、リベット数を減少するなどして生産性の向上を図っています。

 装甲板の厚さ比較
G型 E/F型
車台前面 50mm 25mm+25mm
戦闘室前面 50mm 25mm+25mm
戦闘室側面 15mm+15mm 15mm+15mm
砲塔前面 50mm 25mm+25mm
砲塔側面 30mm 30mm
砲塔後面 25mm 25mm
砲塔上面 12mm 12mm

 F型生産途中で採用されたリーフスプリング(板バネ)を中央で束ねる保持具に設けられていたスリットやバックミラー、前部反射板の廃止、ノテックライトの移設がG型では生産当初から行われ、暖気排気口にはG型からスライド式シャッターを採用しています。
 また、G型生産途中から車体前部に予備履帯ラックが標準装備になりました。
 第7生産シリーズは500両が発注され、1941年10月から生産を始めましたが、ソ連軍のT-34戦車などに対抗するため、マーダーⅢ(7.62cm Pak36(r)搭載)対戦車自走砲に車台が流用されることになったことから、この車両と並行生産になり、G型としては1942年6月20日でのロールアウトをもって生産を終了し、306両が製造されました。
 なお、余剰となったG型用の砲塔は陣地の固定砲塔などに流用されました。

第7生産シリーズにおける生産内訳
車両名 車台番号 生産数 生産期間
38(t)戦車G型 1101-1359 259両 1941年10月〜1942年3月
マーダーⅢ(r) 1360-1479 120両 1942年4月〜1942年9月
38(t)戦車G型 1480-1526 47両 1942年5月〜1942年6月
マーダーⅢ(r) 1527-1600 74両 1942年9月〜1942年10月

■使用キット
 G型のキットは複数のメーカーから発売されていますが、トライスター(現ホビーボス)のG型キットで製作しました。(以下、キットの表記はこのキットを示します。)
▼Pz.kpfw.38(t) Ausf.G(Tristar/Hobby Boss)


■模型設定
 製作する車両は、38(t)戦車が配備されている主な装甲師団(7,8,12,19,20,22)の中から第22装甲師団(第204戦車連隊)を選択し、1942年6月のクリミア戦時の第Ⅲ大隊第7中隊所属車としました。
 なお、トライスター(現ホビーボス)のキットの製作記事は何度も紹介しているので、共通している工作については説明を一部省略しています。

■足まわり
●履 帯
 作例ではモデルカステンの連結式可動履帯(SK-30)(以下「モデルカステンの履帯)を用い、キット組立説明書や実車のカタログデータと同じ片側93枚を使用しました。
▼なお、キットの起動輪には修正をすることなく、噛み合わせるこができます。


■車体前部
①予備履帯ラック
 実車では増加装甲を兼ねた予備履帯ラックがG型の1941年11月生産分(車台番号1220)から採用されました。
 作例では、ラックはアベールの「Pz.Kpfw.38(t) Ausf.E/F/G Vol.1 basic set」(35200)のエッチングパーツ(以下「アベールのパーツ」)を用い、履帯はモデルカステンの履帯を取り付けました。

②ノテックライト
 実車ではF型生産途中の1941年7月頃から左フェンダー上部から左フェンダー第1支持架基部に移設しています。
 作例ではキットで省略されている電気コードを0.25ミリ径の銅線で再現してみました。
③車幅表示灯取付金具
 実車では第8生産シリーズ(H型車台)まで、この取付金具が確認されています。
 作例ではアベールのパーツを取り付けました。
④警 笛
 キットのパーツが今1つなので、ドラゴンのグリレH型(6470)の工作時に警笛パーツ(K17)が余っていたので、これにアベールのパーツを加えてディテールアップしました。
●防塵防水カバー取付リング
 実車では輸送・行軍中に埃や雨水の浸入を防ぐため、専用のカバーが用意され、その取付リングがボルトに溶接留めされていました。
 しかし、戦場では本来の用途とは異なり、このリングを利用してヘルメットや飯盒などをぶら下げている例が確認できます。
 エッチングパーツでもこのリングが用意されていますが、作例では接着強度を図るため、吉岡和哉氏の「マーダーⅢ」の製作記事を参考にして、0.15ミリ径の真鍮線でリングを作り、ボルトに孔を開けて差し込んで接着しています。

 これまでA型からF型までの作例ではこのリングを取り付けていましたが、製作記事での紹介を省略していました。型式により取付位置が微妙に異なりますが、基本的に車体に10箇所、砲塔に10箇所取り付けていますので、興味がある人は製作途中写真を確認してください。。

■車体左側
⑤アンテナ基部
 キットでは省略されている取付ボルトなどを加えてディテールアップしました。

⑥大型雑具箱
 作例のモデルとなった第22装甲師団第204戦車連隊第Ⅱ大隊第7中隊で見られた独自形状の雑具箱をプラ板で再現してみました。(これを作りたかったのです!)

⑦手すり
 乗車用の手すりが雑具箱の装備で廃止されているようなので、パーツ(D12)は取り付けず、代わりにボルトヘッドをドラゴンのキットから移植しました。
⑧ハンマー、ツルハシ
 実車では雑具箱の装備によりハンマーとツルハシはフェンダー後部に移設されているようです。
 作例ではアベールのベルトパーツを用いて写真の位置に取り付けました。

■車体上面
●ターレットリングガード
▼E型以降のターレットリングガードは、後部の機関室上面にかかる部分がカットされていますが、キットではつながっています。

 ▼作例では次のとおり矢印部分をカットしました。※詳細はE型の製作記事2参照


■車体右側
⑨予備履帯
 実車ではフェンダー上の予備履帯はF型から3枚に増えています。

 作例ではモデルカステンの履帯を利用し、アベールのパーツとアドラーズネストの「六角ボルトヘッドSS」(ANE-0011)を用いて取付金具を再現しました。
⑩バール、ショベル
 実車では雑具箱の装備によりバールとショベルは右フェンダー後部に移設しているようです。
 作例ではアベールのベルトパーツを用いて取り付けました。
 なお、その他の車外装備品は定位置に装着されているようなので、写真のとおり取り付けました。

■車体後部
⑪暖気排気口
 実車ではG型からエンジンから発生する暖気を排出する排気口に、スライド式シャッターが採用されています。

 作例ではアベールのパーツを用いて再現し、ボルトはドラゴンのパーツを移植しました。
 ※この写真ではシャッターは未取付の状態です。
⑫車間表示灯、⑬尾灯
 実車ではE型から横に伸びる支持架に変更され、機関室上面板の取付ボルトを利用して車体に固定されています。

 作例ではキットの支持架の取付位置に誤りがあるのでプラ板でふさぎ、支持架はアベールのパーツを用い、アドラーズネストの「六角ボルトヘッドSS」(ANE-0011)で車間表示灯及び尾灯と連結しました。

 支持架はアドラーズネストの「リベットヘッドM」(ANE-0029)で機関室上面に固定しました。

 また、電気コードは0.25mm径の銅線を用いて機関室まで引き込みました。
●後部反射板
 実車ではG型から前部反射板は廃止されましたが、後部反射板は残されています。キットにはパーツ(E28)が付属していますが、作例ではアベールのパーツに換え、フェンダー支持架にある取付用の凹みをパテで埋めてから、スリットを彫り、そこにエッチングパーツを差し込み接着して固定しました。(途中写真では未取付)
⑭発煙筒ラック
 作例では支持架をアベールのパーツに換えてみました。
⑮保護カバー
 履帯張度調整装置には防塵・防水用の保護カバーが装備されているのでパーツ(E34×2)を選択し、エンジン始動用クランク差込口にはパーツ(C5)を取り付け、車体への留め具をアベールのパーツでディテールアップしました。
⑯牽引フック
 実車ではG型以降でも標準的な牽引フックが装備され、一時的に採用された牽引ピントルフックではありません。

 作例ではキットのパーツを利用し、アベールのパーツでディテールアップしました。

■砲 塔
 作例では照準孔の上部の⑰雨トイや機関銃の⑱照星をアベールのエッチングパーツにしたり、⑲手すりを0.3ミリ径の真鍮線に置き換えるなど、最小限のディテールアップに止めました。(工作終了)


  ご意見、感想などがありましたら掲示板「38(t)戦車G型」にコメントをお願いします。
 コメントが面倒だという方は、今後の励みになりますので下の「拍手」のボタンを押していただければ幸いです。

web拍手 by FC2
inserted by FC2 system