Ⅲ号戦車E/F型
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Ⅲ号戦車E/F型の製作(2)
■E型とF型の相違点
 E型の生産は当初の計画では1938年5月から9月までの予定でしたが、変速機や懸架装置のトラブル対応のために7ヶ月遅れの12月から始まり、1年3ヶ月遅れの1939年12月まで続けられました。一方、F型の生産は計画どおり1939年8月から開始されたことにより、組立工場のMAN社においては同年8月から12月まで、ダイムラーベンツ社は11月と12月においてE型とF型が平行生産されることになりました。
 以上の理由からE型とF型の一部においては外観上では識別が困難な車体が存在したことを理解しておく必要があります。
 そのため、模型を製作する場合はその車体が1939年9月のポーランド戦時のものか、1940年5月のフランス侵攻時にするかなど、年代設定を決めてから、次にあげる相違点を確認して製作を進めるとよいと思います。
 なお、E/F型には改修型が存在しますが、ここではその説明を省略します。
●ブレーキ通気口カバー
 車体前部の前照灯の隣にブレーキの冷却用開口部の装甲カバーが1939年中に取り付けられることになりましたが、1940年春においても取り付けていない車体(F型)も存在しました。これは開口部のない装甲板が組立工場に既に納品され、その在庫の使用を続けたことによるものと推測され、このような事例は多く確認できます。
 なお、キットに取り付ける場合はパーツ(V34)を用いることになります。

●跳弾板
 砲塔基部を保護するために1940年中に跳弾版がボルト留めされました。そのため、E型には基本的には取り付られていないようですが、修理車両などでは後付けされた可能性はあります。
 キットに取り付ける場合はパーツ(A24)を用い、取り付けない場合は凸部(タボ)を説明書に従い、切り取る必要があります。
●無線手用クラッペ
 1939年後半に戦闘室右側に無線手用クラッペが新設されました。この期間はE型とF型が平行生産されていたため、E型にクラッペがあったり、F型にクラッペがなかった車体が存在します。

  キットでは2つのパーツ(A60,A64)が付属しており、どちらかを選択できるようになっています。
●ダミーのペリスコープ
 砲塔上面にあったダミーのペリスコープは1939年中に廃止されることになりましたが、これも在庫の関係から1940年に生産されたF型でも装備されていたようです。

  なお、キットではパーツ(S30)が用意されています。

■車体左側面の車外装備品
⑧バール
 キットのパーツは断面が丸いタイプですが、大戦初期は断面が四角のタイプが多く確認できるので、0.8×0.8mmの真鍮角線を加工し、黒染めして取り付けました。

⑨工具箱
 これはドライバーやレンチなどを収納した工具箱3型(Werkzeugkasten 3)で、Ⅲ号戦車では初期型(A型~G型装備)と後期型(G型~N型装備)の2種類が確認できます。

 キットでは後期型を再現したパーツが付属していますが、E/F型は初期型の工具箱が装着されているので、キットのパーツを写真のように加工してみました。
⑩10tジャッキ
 キットのパーツは一般的なジャッキが付属していますが、E/F型で見られるタイプに修正してみました。
▼キットのパーツ(G49,G50)

▼実車


▼キットパーツ修正後

 なお、Ⅲ号系列の取付金具は薄いエッチングパーツではなく、再現度が高いモデルカステンの「Ⅲ号突撃砲G型用小パーツセット」(A-7)のパーツを用いました。



⑪消火器
 Ⅲ号戦車は3種類の消火器が確認でき、E型からはK2Sが採用されています。(K2S型消火器については「考察雑記帳の車載消火器」を参照してください。)
▼パーツ比較

▲キットのパーツはエッチングパーツと合わせて、精密に再現してありますが、モールドにメリハリがないので、大型のK3S型消火器を再現しているパンツァーアートの「初期型消火器」(RE35-259)を切り貼りしてみました。
⑫ジャッキ台
 取付ベルトなどは他キットのエッチングパーツでディテールアップしました。(続く)


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