考察雑記帳  Study

 ドイツ車両のライトについて考察してみました

ライトの減光措置 Lighting control

 ホームページ再開のお祝いに滝口氏から1枚のカラー写真をいただいたので、氏の了解を得て披露させていただきます。

▼この写真は中央の猫が主役ですが、今回着目し、考察するのが右端の尾灯です。

▼その尾灯部分を拡大したものです。

▲中央の一部を縦にマスキングして車体色で塗装されていることがカラー写真なのでよく分かります。
これは夜間に敵から自車の位置を悟られないようにライトによる光を減光するための措置だと推測されます。
▼同様な事例がないか手元の資料で確認したところⅠ号戦車の尾灯でも確認できました。

▼こちらはキューベルワーゲンの尾灯の減光カバーですが、上下2箇所に「-」の開口部があります。

▲このような例は他の車両にも見られ、上下に2つの穴が開いているカバーも確認できます。
▼また、こちらはⅢ号戦車の車間表示灯ですが、車間表示の一部を除き、減光のため塗装されているように見えます。

▲しかし、撮影場所が北アフリカなので、砂埃によるものかもしれません。
▼次にⅢ号戦車の前照灯の布製カバーで、開口部が「-」です。

▼こちらはⅣ号戦車の前照灯の布製カバーですが、開口面積が小さくなっています。

▲カバーはいろいろな種類が確認でき、布ではなく、皮製と思われるものも見られます。
▼こちらはⅢ号戦車の前照灯の後部で、布製カバーが紐で絞ってライト本体に取り付けられていることが確認できます。

▼こちらもⅢ号戦車ですが布製ではなく、金属製カバー又はライトに直接塗装されているようにも見え、模型ではよくこのようなライトパーツが見られます。

 このように前照灯や尾灯にカバーを付けて減光する措置は、第二次世界大戦が始まった1939年9月のポーランド侵攻時において、ほとんどの車両で確認できます。
 なお、有名なノテック製灯火管制型ライトが装着されるようになったのが、1940年春(3月?)からとなります。(2020年3月14日掲載)

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