模型製作 Modeling
●模型製作のスタンス Stance
 ここで私の模型製作スタンスについて述べてみます。
 私の著書であるアハトゥンク・パンツァー・シリーズで紹介した戦車を全て再現するというのが私の最終目標であり、ライフワークとも思っています。個々の戦車模型はミュージーアムモデルを目指しているため、ハッチは原則として閉じ、装備品は規定の位置に装着しています。
 つまり、アフリカ戦線配備車輌であれば、考証的にはジェリー缶が満載しているはずですが、私の模型ではそれがありません。これはPANZER TRACTSに掲載された図面と同じ手法で、塗装及びマーキングにも言え、製作した戦車に一番似合うものを選択しており、厳密には考証的におかしい部分があります。
 また、一台の模型を見ると私の模型にはストーリー性もなければ、乗員の生活感もあまり感じさせられず、何とも味気のない模型といえます。
 しかし、生産時期による改修箇所の変遷が比較できるように何台も同一車両を製作するので、模型を並べて見比べる楽しさがあります。
 製作においてはメーカーのキットを使用しますが、キットはあくまでも素材の一つであり、忠実に再現させるためには、複数のキットの良いパーツを組み合わせたり、ディテールアップ用パーツも可能な限り使用しています。そして、それでも気に入らないパーツは自作したり、それを原型として複製しています。などと書くと超人的な技巧者のような印象を与えますが、工作及び塗装技術は人に教えられるようなものではなく、発展途上といえます。
 しかし、模型を少しでも近づけたいとの意欲は人には負けないつもりですので、そのあたりを感じていただけたらと思います。
 また、ダラダラと模型を作ってもいつまでも完成しないので、毎年5月に静岡市で開催されるモデラーズクラブ合同作品展までに作品を完成させて展示することを年間目標としています。
 私はこの製作スタンスを誰かに強要したり、世間に広めるつもりは全くなく、こんな楽しみもあるのかと気軽に見てください。
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