II号戦車 A,B型
Pz.Kpfw.II Ausf.A, B
製作(3)  Model making(3)

車台(シャーシ)の製作 Chassis
車台前部 Front of Chassis

⚫︎最終減速機カバー  Armor guard for the final drive
▼タミヤ(T)とドラゴン(D)のパーツを比較します。

▲一見するとドラゴンのパーツ正しいように思えます。
▼記録写真で確認してみます。

▲形状としてはタミヤのパーツが正しいようです。
▼タミヤのパーツを流用したかったのですが、ヴェスペの製作で在庫2個を使用したので、ドラゴンのパーツにエポキシパテを盛って整形して対応しました。

▼車台に整形したパーツを取り付け、大きな尖頭ボルトが確認できるので、モデルカステンの「BOLT & NUT SET」(A-1)で見える範囲の3個を再現しました。

▼最終減速機カバーを取り付ける車台側板内側のナットの表現が弱いので、マスタークラブの0.7mmナット(MC435054)に取り替え、溶接跡はプラストラクトの0.3ミリ径丸棒(MR-10)を取り付け、流し込みタイプの接着剤で柔らかくしてからデザインナイフでそれらしく再現しました。

▼ドラゴン(D)とタミヤ(T)のパーツ、そして当時の図面を比較するとタミヤのパーツは小さいようです。

▼そこで、タミヤのキットではドラゴンの不要パーツ(N32,N322)を利用し、取付ナットはマスタークラブの0.7mmナット(MC435054)に取り換えました。

▼タミヤのキットでは最終減速機カバーを斜め下に移動したため、車台側面板に一体成形された起動輪の車軸とずれて車台に取り付けられなくなったので、穴を大きくして調整して取り付けました。

尖頭ボルト Pointed Bolts
▼タミヤのパーツでは尖頭ボルトが省略されているので、マスタークラブの0.8mmボルト(MC435094)を0.6ミリ径の孔を開けて埋め込みました。

▲前部牽引フックパーツの取付位置を修正するため、尖頭ボルトを取り付ける前にパーツ取付穴をプラ板でふさぎました。
▼ドラゴンのパーツでは尖頭ボルトがモールドされていますが、小さいと感じたのでタミヤのパーツと同様にマスタークラブのパーツを埋め込みました。

前部牽引フック Front Tow Hooks
▼タミヤのパーツ(A2)は当時の図面と比較して形状が異なり、牽引ケーブルを繋げるS型フック(シャックル)を引っ掛けることができません。

▼図面やドイツやベルギーにある現存車両のパーツを参考にプラ板てで自作しました。形状表現は今1つですが、妥協しています。

▼ドラゴンのキットでは牽引フックパーツが省略されているので、自作パーツを取り付けました。
なお、フックにはU字型シャックルが取り付けられているので、KSの真鍮帯板(0.8✕0.2)を曲げて再現し、取付ボルトはマスタークラブの0.7mmボルトヘッド(MC435034)を利用しました。

▼タミヤのキットでは、フックパーツの取付位置を少し内側にずらせました。

車台後部 Rear of Chassis
保護カバー Protective covers
▼3つの蝶ネジで固定されたカバーのうち、aはエンジン始動用クランク差込口のカバー、bは慣性始動装置で生じた回転をエンジンシャフトに連結させるレバーのカバー、cは冷却水の排出口のカバーとされています。

▲タミヤのパーツは後部パネルと一体成形され、ドラゴンのパーツは別パーツで厚みがあったので、蝶ネジを含めてボイジャーモデルのエッチングパーツに換えました。
後部牽引フック Rear Tow Hook
▼タミヤ(T)とドラゴン(D)のパーツを比較しました。

▲大きさや形状が全く異なります。現存車両のものと比較検証した結果、タミヤのパーツ(H16,H17)を選択して手を加えることにました。
▼タミヤのパーツは車体への取付ボルトのモールドが小さいので、マスタークラブの0.7mmボルト(MC435034)に取り換えました。

▲S字フックを引っ掛ける部分はタミヤのパーツ(H18)では細いので、1ミリ径のプラ棒に換えました。
このL字型金具には紛失防止用チェーンが実車では付けられていますが、破損及び紛失防止のため、この段階では取り付けていません。
▼ドラゴンの後部パネル(N4)パーツにタミヤのパーツを取り付けるため、隙間をプラ板でふさぎました。

誘導輪取付基部 Idler wheel mount
▼ボルトヘッドが省略されているので、プラストラクトの0.5ミリ六角棒(MRX-20)を輪切りにして接着しました。

▲溶接跡はプラストラクトの0.3ミリ径丸棒(MR-10)を取り付け、流し込みタイプの接着剤で柔らかくしてからデザインナイフでそれらしく再現しました。
▼ドラゴンのキットでは誘導輪取付基部の内側パーツは別パーツ(C12,C13)化されていますが、厚みが約1ミリもあるので取り付けず、直接プラストラクトの0.5ミリ六角棒(MRX-20)を輪切りにして接着しました。

補強用ロッド Reinforcing rod
 Ⅰ号戦車B型と同様に誘導輪基部が突出して強度的に問題があるので、1938年5月付けで補強用ロッドの取り付けが指示されました。取り付けはA型では生産途中から、A型と並行生産されたB型では生産当初から実施されました。
 そして、1939年9月1日のポーランド侵攻までには未装備の車両にも取り付けるように指示が出されたので、それ以降は例外を除き、全ての車体に装着されたようです。
 作例ではタミヤのキットをベースにしたA型は未装備の車体、ドラゴンのキットをベースにしたB型は装着した車体にして差別化しました。
▼誘導輪取付基部の内側パーツ(C12,C13)の取り付けをしなかったため、ロッドのパーツ(C70)では長さが足りないので、エバーグリーンの0.75ミリ径プラ棒(210)に換えました。


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