II号戦車 A,B型
Pz.Kpfw.II Ausf.A, B
製作(6)  Model making(6)

車体上部の製作(2) Superstructure(2)
 今回はドラゴンのB型キット(6572)のディテールアップポイントをタミヤのパーツと比較しながら紹介していきます。
フェンダー Track guard
 滑り止めの菱目パターンは目が粗いので、ボイジャーのエッチングパーツ「Ⅱ号戦車A/B/C型フェンダー」(PE35281)の滑り止め部分のみを利用し、ドラゴンのフェンダーパーツ上面の滑り止め部分を削ってから接着しました。

車体前部 Hull front
操縦手用ハッチ Driver'a hatch cover
 ハッチのヒンジとハッチ周囲の尖頭ボルトが省略されていたので、マスタークラブの0.5mm尖頭ボルト(MC435091)と0.6mm尖頭ボルト(MC435092)を孔を開けて埋め込みました。

 なお、尖頭ボルトの位置は「PANZER TRACTS No.2-1」の図面にスコッチ(3M)のメイディングテープを貼り、それぞれの位置を極細ボールペンで印(しるし)を付け、それを剥がしてパーツに貼り、その上からドリルで孔を開けてからテープを剥がし、パーツにマスタークラブのボルトを埋め込んでから裏側から接着剤を付けました。
 プラパーツに直接ボールペンで書き込むことはインクが弾いて困難ですが、このテープは貼ると透明になり、テープに直接ボールペンなどで書くことができて大変便利です。

▲このテープの廉価品(れんかひん)がダイソーで販売されており、私はこれを愛用しています。
操縦手用前方視察クラッペ Driver's visor
 タミヤとドラゴンのパーツを比較します。

▼ドラゴンのパーツはヒンジが小さく、覘視孔の位置が異なるので、タミヤのパーツを用いることにしました。

▲なお、タミヤパーツのヒンジの尖頭ボルトはマスタークラブの0.6mm尖頭ボルト(MC435092)に置き換えました。
跳弾板 Turret ring guard
 実車ではA型生産途中から砲塔基部を防御するための跳弾板が取り付けられ、B型では標準装備なので、パーツ(A30)を取り付けました。

クラッペ Vision ports
 実車ではB型生産途中からクラッペの防弾ガラスが50mm厚に強化されて外観形状が変更され、前方に跳弾板が、そしてその上下に尖頭ボルトが取り付けられています。
 作例ではそれを再現するため、クラッペパーツ(A3)を取り付け、クラッペ前後に付く尖頭ボルトはマスタークラブの0.6mm尖頭ボルト(MC435092)に置き換えました。

機関室上面 Engine deck
機関室点検ハッチのヒンジ Hinges
 タミヤとドラゴンのパーツではヒンジの向きが逆です。
 これについては前回でも紹介しましたが、ドラゴンのパーツはそのままにしています。
暖気排気口 warm air outlet
 タミヤとドラゴンの排出口グリルのパーツを比較します。

▲ドラゴンのパーツが小さいことが分かります。
▼その理由は排気口の側板と後板に厚みがあるからで、ドラゴンのⅠ号戦車B型でも同様の設計がされていました。

▼そこで、周囲を削って開口部を大きくしました。

▼ボイジャーモデルのエッチングパーツをハンダ付けにて組み立てて置き換え、B型から見られる後部補強板をボイジャーのエッチングパーツ(A25)に換えて軽戦車らしい薄い装甲板を再現してみました。

無線手用ハッチ Radio operator's hatch
  タミヤとドラゴンのパーツを比較します。

▲下の冷却用ファン点検ハッチの大きさの違いが目立ちます。
▼どちらが正しいかマニュアルの図面(D651/1)で確認します。

▼タミヤのパーツが正しいので③のパーツ流用し、①と②はドラゴンのパーツを用いることにしました。

▲①の無線手用ハッチは小さくして全体の長さを調整し、通気用のルーバーはエバーグリーン0.25ミリ厚1.0ミリ幅のプラ帯板を利用して斜めに取り付けることで実車に近づけてみました。
▼修正したパーツを機関室上部に取り付けました。

 今回の作例結果から前回作ったA型(タミヤ)も作り直すことにしました。
▼写真は修整前です。

▼ドラゴンのパーツと比較します。

▼無選手ハッチは小さくして、通気用のルーバーを作り直しました。

▼無選手用ハッチの後ろはドラゴンのパーツ②が正しいようです。

▼ドラゴンのパーツ②に合わせて大きくして機関室上部に取り付けました。

▲ハッチ用ヒンジを固定する皿ネジモールドが省略されているので、パッションモデルズの「0.6ミリ径マイナスネジ頭セット」(P35-001、絶版・店頭在庫のみ)を埋め込んで再現しました。
 さて、この作業で増加試作c型まで採用された2分割式ハッチに比べ、量産型から採用された1枚板のハッチが小さくなったことがわかりました。タミヤのキットはフランスの増加試作c型を取材して設計されているため、増加試作型のハッチの寸法のまま、量産型のハッチに置き換えたことが原因だと考えられます。
 なお、各ハッチに付けられた鍵穴モールドがキットのパーツでは省略され、ボイジャーモデルのエッチングパーツではそれを補うパーツがありますが、破損・紛失の恐れがあるので、この時点では取り付けていません。


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